シン・エヴァ感想(ネタバレあり)。ポップコーンを食べながら。
映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」、見てきました。
TV版エヴァ、EOE、新劇場版、先行公開の12分をすべて見返した上で、見ました。
ポップコーンを買ったものの、ろくに食べることもなく、ほぼほぼ見入っていました。
家に帰って、食べながら感想を書いてます。
ネタバレを含めた感想はこのあと書きますが、見た結果どうだったかというと、
見て良かったです。
自分は、新劇場版の少し前から、エヴァを見始めたのですが、ここまで見てきてよかった。
以下、ネタバレあり。
①エヴァというシリーズを見てきて、良かった。と思える作品だった。
まずは何よりも、これに尽きる。
正直、シン・エヴァが面白くなかった、となった場合、
これまでエヴァを好きで見てきたという経験への否定にまでもつながってしまう気がするので、まずこれが良かった。
これまでの(TV版やEOEを含む)流れをくみつつ(補完とは何か、補完計画によって起こることなど)、Qで投げ出したのかと思った破までの流れをくみつつ(破からQまでの回収、ミサトの意図、同級生との絆など)、Qでの新展開をくみつつ(ヴィレ、ピアノ、13号機)、文字通りの意味で全てを終わらせた。
人類補完計画とは何か、ゼーレや碇ゲンドウの目的は何か、ということをある程度説明しつつ、TV版やEOEでは完全ではなかった「シンジ以外の補完」を描きつつ、EOEで描きたかったであろう「現実の自分たち」へのメッセージ、繋がり、というのものが、ストーリー/映像に反映されていた。
エヴァという「アニメシリーズ」が持っている/持たされている、「何かやってくれるであろう」という期待に、(少なくとも自分は)予想していなかった第3村というかなりストレートなメッセージを込めつつも、映像表現/テーマ/ストーリーの各方面で答えていた気がする。
②新劇場版の意味があって、良かった。
世代としては新劇場版の世代なので、「この新劇場版をやる意味がない」終わり方にならなくて、良かった。
旧エヴァへの回帰という終わり方もできたし、これまでのシリーズの否定ということもできたと思う。
でも、「新劇場版」という形で新しいシリーズを作ったことで、「旧エヴァの続き」としての「新劇場版」の意味、そして作り直されたことで発生した時代性(Twitterで見かけた、東日本大震災の影響など)を含んだ話で、今作られる意味があるのが良かった。
シン・エヴァは「3.0+1.0」ということで、Qの直接的続編としての意味街が強い気がするので、(めちゃくちゃ時間は空いたものの)前後編としても結果的には良かった。
③考察を色々見てきて、良かった。
これは、シン・エヴァを見た感想そのものとはちょっとずれる話。
今回シン・エヴァを見る前に、アニメを全部見返したわけだが、その中で発生した疑問点についていくつか考察のブログを読んだ。
そのおかげで、旧エヴァの続きであることやゲンドウやミサトたちの行動、ネルフ本部地下にあったリリスや「リリン」という言葉が出てきたことについても、ある程度「わかった感覚で」見ることができた気がする。
それによって、「何が起きているんだ?」よりも「なるほどこれが起きているんだ」という感覚で見ることができたので、
ストーリーに集中しやすかった、と思う。
考察そのものがあっていたのか?は別に明かされないし、
ラストに出てきたメンバー以外(アスカやミサトなど)がどうなったのか?(多分全く関わりないところで生きているんだろう)とか、なぜシンジとマリだったのか(マリが、ゲンドウやユイと同じ研究室だったということが無くなったとしたって、「連れ戻す」以上の何かの役割を与えられてる?)とか、
ユイがシンジの中にいたってどういうことだ?(旧エヴァでは初号機の中にいたはずで、新劇場版でエヴァの設定が変わったとしても、「中」ってどういうこと?)とか、
疑問は尽きない。
また、正直、初号機と13号機が変なところで戦うシーンでは笑ったし(特撮セットで戦ってる描写は好きだったけど)、説明描写が多すぎると感じることもあった(これ以上尺をのばせなかったので、今回で「終わらせる」ために詰め込んだのだとは思うけど)し、あまり納得行かない展開もあった(シンジが初号機に乗る前の展開はちょっと端折り過ぎかな)とも。
ゲンドウの独白も、これまでの流れを踏まえると、急にずっと話し続けるし(エヴァTV版のように、明確に「ここから補完です」という明示はなかったor気が付かなかったので、唐突に感じた)。
しかし、「これが示したかった」「これを見せたかった」「こういう終わりにしたかった」が明確なので、
後はもう視聴者に完全に委ねられたんだな、とも感じる。
(とはいえ、全記録全集がでたら、今度こそ買う予定。これまでは、学生のみで買う余裕がなかったので)
それも含めて、「考察しないとわからないエヴァ」を終わらせたのかな、友感じた。
④好きなシーン
最後に、好きなシーンだけ上げると、
- エッフェル塔を投げるところ
- ケンスケの登場シーン
- 図書館
- 「さようなら」を知ってからの「さようなら」
- そっくりさんの消失
- シンジを乗せてからのミサトとリツコの会話
- 髪を切るところ
- EOEのオマージュ
- 特撮セットでの戦闘の、特撮感と実写感
- カヲルの補完
- シンジがユイに気づくところの映像
- 「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」
- 最後の駅、からの実写
- 「ネオン、ジェネシス」(2021/03/09 16:54追記)
といったところでしょうか。
細かいシーンで覚えて切れてなかったり、分かった上で見ると良いシーンもあると思うので、
少なくとも2回目は見ると思います。
(ムビチケを忘れて通常料金で見てしまったので、その分)
⑤新世紀エヴァンゲリオン、及びヱヴァンゲリヲン新劇場版を作り、3度めの完結を迎えていただき、ありがとうございました。
終わり。