れいの記録

日記ではない

「レディ・プレイヤー1」を思い入れのある元ネタで振り返る

「レディ・プレイヤー1」(2018)
(原題:Ready Player One)
 
近未来、仮想世界「オアシス」にしか希望を見いだせなくなった世界で、オアシスの未来をかけた戦いが始まる……。
とか、そんな感じのことを書けばそれっぽいものの、その中身は「ポップカルチャー」への賛歌であり、祝福であり、そしてそれを踏まえた上で、現実への肯定にもなっている。
そんな作品だった。
 
というわけで、映画本編の素晴らしさを伝えたようと思ったのだけれども、作中でメインの要素になっている海外映画やAtari、主要キャラのデザイン元ネタなどについて、「素晴らしい」という言葉でしか表現ができない。
そこで、今回は思い切って自分に引き寄せ、自分が知っている・思い入れがある元ネタについて、作中の時系列順に振り返りたい。
見てない人にはわけわからない感じになってます。
 
(以下、ネタバレあり)
 
 

1. Van Halen - Jump

まず、タイトルロール。
各制作会社のロゴが流れた後、鳴り響く、あのイントロ。
「Jump」Van Halen
 
全く世代ではないが、しかし心に刻まれたこの曲。
この曲が、2045年の世界で流れ、27年後の少年が登場し、そして世界の姿を見せつけられる。
そこは廃墟だらけの世界で、人々は仮想世界に夢中になり、現実は取り残されたまま。
しかし、そこで流れるBGMは1980年台の陽気な楽曲で、その対比がとても良い。
 

2. Minecraft

さて、世界は酷い有様だけれども、人々を夢中にさせる仮想世界「オアシス」。
その紹介映像で、唯一ロゴが出てくる実在するゲーム。
それが「Minecraft」。
誰かに作られた世界、というだけではなく、プレイヤーが自由に何でも作ることのできる世界でもある、という象徴の一つとしてMinecraftが出てきたのだろう。
 

3. 金田のバイク

パーシヴァルやエイチの色々と好きなものが混ざったアバター(FFくらいしかわからないけど)や、ハローキティなどが出てくるし、ドゥームの世界はそのまんま「DOOM」で、めっちゃ色々出てくるなー、と序盤から感じていた。
しかし、第1の試練開始までで一番驚いたのは、アルテミスが乗る「金田のバイク」。
海外で人気が有ることも知ってるし、AKIRAは好きだけれども、いやなんか普通に出てきましたね、という感じ。
バック・トゥ・ザ・フューチャーを見ていないのでデロリアンには気づかず)
その後のレースシーンでただただかっこよいアルテミスだけれも、「金田のバイク」という単語が出てきたがために、アルテミスの印象が「めちゃくちゃかっこいいオタク」になってしまった。
 

4. ジュラシック・パークのティラノ(とキングコング

スピルバーグが監督する作品で、これを出してくるか! という意味で、ティラノが出てきたシーンは熱かった。
もちろん、原作とは違って生き物ではなくお邪魔キャラとしての動きをしているのだが、その外見や凶暴さは「ジュラシック・パーク」の興奮を思い出した。
そしてキングコングは、巨大なキャラでニューヨークを自由に動き回って敵となるキャラクターなんて、これしか思いつかないよなあという意味で、納得感があった。
 
アイアン・ジャイアントを知らなくて、鉄人28号かな?と思ってたので、不勉強を恥じた(というだけの項目)。
 

5. Bee Gees - Stayin' Alive

 第1の試練が終わることにはすっかりパーシヴァルに感情移入していて、アルテミスとダンスに行くのに舞い上がってるシーンも「わかる」としか思えなかった。
(いや、本当にリアルも含めてアルテミスはパーシヴァルの視点でも物語での役割でもめちゃくちゃ好きだ)
(あと、パーシヴァルが好きな曲として「ラジオ・スターの悲劇(原題:Video Killed the Radio Star)」が上がったのもめちゃくちゃテンションが上がった。思い入れのある曲なので)
で、パーシヴァルとアルテミス、一体何を踊るのかと思ったら、これ。
Stayin’ Alive。
 
いや、わかる。
たしかに自分も好きな曲だ。
でも、自分がこの曲を知っているのは「ハッチポッチステーション」の影響にすぎないし、一般的には2018年現在でもかなり古い曲で、それを2045年のティーンエイジャーが踊るのか?
そういう疑問は、しかし、2人の踊るシーンを見れば掻き消える。
仮想世界、空中のフィールド(宙に浮いた床と書いたほうが伝わるか)の上で完璧に踊る2人。
CGとしての美しさとモーションキャプチャによるリアルさが入り混じり、お気に入りのシーンの一つとなった。
 

6. シャイニング

正直な話、「シャイニング」を見たことがない。
(そもそも、スティーヴン・キング作品で読んだことがあるのは「グリーン・マイル」だけで、色々と積んでいる……)
しかし、VRの世界でホラー映画のシーンを体験すること自体や、エイチ以外の4人(パーシヴァル、アルテミス、ダイトウ、ショウ)の知り尽くした感じ、そしてエイチの反応。
原作を見ていないことを大きく後悔しながら、第2の試練のシーンを見ていた。
とにかく映画を全く知らなかったので、初めに斧で襲われるシーンでは、席からボーンと飛び出すくらい驚いてしまったので、次回は予め情報を知った上で臨みたい。
(次に本作を見る前にはシャイニングを見るつもりだが、次回は3Dで見ようと考えているため、またボーンと席から飛び出してしまうかもしれない)
 

6.5.  スターウォーズ エピソード4

話は大きく飛んで、第3の試練。
パーシヴァル(ウェイド)の叔母夫婦の家が爆破されたり、サマンサと出会ったりIOIに襲われたりサマンサが捕まったりエイチたちと合流したりと、色々とあった後。
アルテミスが逃げ出してバリアを解除する一連のシーン、見ていた時に軽微な既視感を感じていたのだが、パンフレットを読んで理解した。
そのシーンは、スターウォーズ  エピソード4でのオビ=ワンが元ネタだった。
柱への隠れ方や、敵から隠れて遠隔操作で解除するなど、確かに! と思ったためメモ代わりとして記しておきたい。
 
7   3式機竜
ラストバトルで、敵のソレントが出してきたのが、まさかの3式機龍。
これまでに3つメカゴジラが登場した中でも、自分の世代にドンピシャであり、かつゴジラの骨を使ってるなどの設定やデザインも大好きな3式機龍が、ここで出てくるとは、と思った。
初めは単にゴジラだと思っていたのだけれども、これ、メカゴジラじゃん! と気づいたときの、テンションの上がり方。
後のシーンも含めて、本当にここからは息をつく暇もなかった……。
 

7.5 .トレーサー(その他各種ゲームなどのキャラ?)

全プレイヤーが集まってくるシーンで、ウォークラフトっぽいキャラは色々と見つけられたのだが、それ以外だとOverwatchのトレーサーしか気づくことができなかった。
一番前に出てきたキャラの中で馴染みがあった、ということと、映画館でめちゃくちゃ端っこの席に座ってたので小さいキャラが見づらかったのもあり、春麗などが出ていることに気がつけなかった。
これは、もう一度見に行った際のよく確認したいポイント。
 

8. ガンダム

これはずるかった。
ガンダムシリーズは00(とビルドファイターズ)しか見てない自分のような人間でも、あれはずるい。
「俺はガンダムで行く」
このセリフ、事前のPVなどを一切見ないようにしていたため、劇場で聞いた際には、本当にもう「この作品は神か!」とまで思うほどだった。
このシーンまでの間に、エイチのアイアン・ジャイアント、ショウの手裏剣(これの元ネタまでパンフに書かれていた)、パーシヴァルとアルテミスのドライビングやいろいろな武器とチャッキーなど、いろいろな作品のネタが登場していた。
しかし、その間何もせず、ただ最高のタイミングを見計らい、ただ一言、放つ。
そして、初代ガンダムが登場し、ポーズまで決め、3式機龍と戦い始める。
本当にもう、夢が盛りに盛られた素晴らしいシーンで、ここだけ日本語が使われる、というのも含めて最高に良かった。
字幕で見てよかった、と感じたシーンだった。
(ただ、次は3D吹き替えで見る予定だけれども)
 

 終わりに

その他、古い作品が多数出てきて(スーパーマンスターウォーズターミネーター2と言った映画の影響も大きい)、全てが拾いきれるものではない。
しかし、大概のいわゆる「オタク」と分類される人であれば、何かしら思い入れのあるものが見つかるか、それともパーシヴァルの思いへ共感するかして、とにかく楽しむことができる映画だったと思う。
 
一方で、「オタク」でない人から見ると、どう映るのか。
そこだけが、ただただ気になっている(Twitterで見かける感想もだいたいオタクの感想だし)。
 
まあ、もう一度見に行った際に周りの反応などを見れば、わかるだろう。
とにかく、今作「レディ・プレイヤー1」は、自分の好きなスピルバーグ作品の3本の指に入り、もしかすると1番になるかもしれない(ちなみに、他に好きなスピルバーグ作品の3本の指に入る作品は、「ジュラシック・パーク」と「プライベート・ライアン」)。
それくらい、素晴らしい体験を得られた作品だったので、願わくばスピルバーグが監督して、続編が出ないものか。
気が早いが、そんなことを考えてしまうのであった。
 
以上。
それでは。
 
P.S.  
GWに映画館で見たい(またはもう一度見たい)映画が今のところ4本あって、金銭的にも時間的にも大変なことになりそうな予感が、今からしている。
 
レディ・プレイヤー1(ソング・アルバム)

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